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8月7日の「100万ドルナイト為替セミナー」をレポートします。



先月のドル円予測は、8〜9月に105円割れ、10〜12月に10
0円割れというものでした。





予言的中していますな。

僕としては、もうドル円の売りポジションは利確できたので、下がるよりむしろ上がってくれた方が良いくらいなのだけれど、やっぱこれからさらに下げるんでしょうな。



以下、ドル円、ユーロドル、ポンド円、メキシコペソ円、トルコリラ円の予想について、ポイントをお伝えします。

ドル円

 
8月に入り、ボラティリティが急増した。1円以上動く日が、7月までは0〜3日だったのに、8月は一気に9日に。ボラの拡大が1ヶ月で終わることは少ない。9月も大相場が続くだろう。

1996年、2007年、2014年に記録的低ボラティリティーがあったが、いずれもその後の半年間で10%以上動いた。今回も同じなら100円を目指す。

2015年以来の月足チャートの三角保ち合いが下に離れるだろう。三角保ち合いをブレイクすると、持ち合いのスタート地点(98円)へ戻ることが多い。

米株のショック相場は、四半期成長率が2%未満の時期に起こりやすい。今は企業業績の減速が鮮明で、危険な時期に入っている。

過去60年のデータを見ると、逆イールドが発生した後、米株は平均で29%上昇し、その後、景気後退とともに下落に向かっていった。2018年12月4日の最初の逆イールドからすでに26%上昇している。株安は時間の問題だろう。

2007年10月〜2009年3月の下落率の順位は、次の通り。
  1. ランド円
  2. NZドル円
  3. ポンド円
  4. 豪ドル円
  5. リラ円
  6. カナダドル円
  7. NZドルドル
  8. 豪ドルドル
  9. ユーロ円
  10. ドル円
  11. ユーロドル

リスクオフでは、円もドルも買われる。円>米ドル>ユーロ>その他通貨。ドル円、クロス円、ドルストレートの全てが下がる。下落率は、クロス円>ドルストレート。

リスクオフでは、少なくとも52週MAの10%下まで下がる。が、それ以上下がると、行き過ぎの懸念も。

8月5日終値の52週MA乖離率
・ドル円 -4.2%
・カナダドル円 -4%
・ユーロ円 -5%
・豪ドル円 -8.2%
・ポンド円 -9.4%

8月から、投機筋の円ポジションが売り越しに転じている。ただし、2012年以降、投機筋の円ポジションが売り越しになる期間は短い。低金利である円の買いポジション維持には、株安等の材料が必要なためである。

ドル円を購買力平価との関係で見ると、近年は生産者物価PPP(95円)と消費者物価PPP(120円)の間で推移している。100円割れの円高は限定的だろう。

(まとめ)
9月 株安をきっかけに、105円割れへ向かうだろう。
10〜12月 株安が本格化し、100円割れへ向かうだろう。
2020年以降 インフレリスクにより、ドル高・円安へ転換の可能性あり。


ユーロドル


2018年2月の1.25ドルを高値にユーロ安トレンド。

今年は1.10〜1.15ドルの小動き(90日MA乖離率1%)が長期化している。

2014年も、8月まで90日MA乖離率1%で推移した後に下離れ、半年後にはマイナス10%となった。

トレンド転換の目安である52週MAは、現状1.134ドルであり、大きく長く下回っている。

ユーロ安は継続中と見るべきだろう。
 

ポンド円


2019年1〜6月の最大変動率
・リラ円 20.8%
・ランド円 15.8%
・豪ドル円 14.4%
・ポンド円 12.6%

ポンド円のボラティリティは、高金利通貨に次ぐ。

ポンド円の年間変動率
・2014年 15.8%
・2015年 12%
・2016年 42.2%
・2017年 13.1%
・2018年 12.3%

ポンド円の年間変動率は、通常は12〜15%。ここからの下げ余地は限定的ではないか。

年間変動率15%なら130円割れ、20%なら125円割れ。

投機筋のポンドポジションは、現在、10万枚の売り越しであり、売られ過ぎの懸念が浮上している。

ブレグジット後の5年MA乖離率は-18%まで。これを当てはめると128円割れ。リーマンショック時は-30%。これを当てはめると110円割れ。

メキシコペソ円


52週MA(5.7円)を7%以上も下回ってきたため、下降トレンドが発生したと考えられる。

5年MA(6.3円)乖離率は、ほぼ中立。ペソ安なら、5年MAマイナス2〜3割まで下げるだろう。
 

トルコリラ円


26日にトルコリラが15円台まで暴落した。

しかし、その時、非常に長い下ヒゲをつけており、過去の実績からは、そういう場合その後数ヶ月その安値を割らないと考えられる。

90日MAからの乖離率が30%を超えるのは、10年に1度(2001年、2008年、2018年)。今後、数年はその可能性は低い。つまり、底打ちしたと判断でき、再び16円を割れる可能性は低い。

高金利はインフレをもたらす。インフレになれば物の価値が上がり、相対的に通貨の価値が下がる。したがって、高金利通貨は中長期的には下落する。

高金利のメリットを享受できるのは、割安圏からの反発局面。トルコリラは、今まさにその時。

結論(トレードプランの提案)


スワップのもらえる方向に売買する。

・ユーロ円 売り 113〜118円

・ユーロドル 売り 1.07〜1.12ドル

・トルコリラ円 買い 17〜20円


感想


今回、話を聞いていて、ふと閃いたのは、

  • ポンド円と豪ドル円の52週MA乖離率が10%に達しているなら、ボラの高さも考慮し、気合いを入れて買ってもいいのではないか。
     
  • リスクオフでの下落率を考えれば、ユーロドルやユーロ円より、むしろ豪ドルドルやNZドルドルを売る方が良いのではないか(例えば52週MA乖離率が5%以内なら)。

という2点でした。

52週MA乖離率を確認した上で、トラリピ設定の追加・修正を検討したいと思います。